FP1級取得への道⑤
こんにちは。元バンカーのメガネたぬきです。
今回は、FP2級試験後~FP1級試験に向けた勉強方法を決めるまでのことを書きたいと思います。
日本FP協会のFP2級試験解答速報をみて、合格に自信を持った私は、目標のFP1級取得に向けてすぐに動き出しました。
1級FP技能士の資格を取得するための条件は、実技試験を合格することのみです。
実技試験は、きんざいで6月、10月、2月実施の年3回、日本FP協会で9月実施の年1回の合計年4回実施されます。
きんざいの実技試験は、面接形式で、12分間の口述試験を2回実施します。
200点満点で120点を得られれば、合格となります。
過去平均合格率は80%台です。
一方、日本FP協会で実施されます実技試験の形式は、学科試験と同じく記述式のペーパー試験であり、設問は2題で、100点満点中60点を得られれば、合格となります。
過去平均合格率は90%台です。
なお、実技試験の受験資格は、いくつかのルートのうちから1つを選択して、取得を目指すことになります。
1級FP技能士実技試験を受験する方法としては、FP1級学科試験ルートとAFP/CFP保持者ルート、きんざいの「FP養成コース」修了者で、1年以上の実務経験を積むルートの3つがあります。
もう少し詳しく説明します。
【FP1級学科試験ルート】
- 2級FP技能検定合格者で1年以上のFP実務経験を有する者
- 5年以上のFP実務経験を有するもの
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
上記要件に該当した人が、1級FP技能士学科試験を受験できます。
FP1級の学科試験の実施団体は、金融財政研究会(きんざい)のみとなります。
日本FP協会は試験を実施していませんので、注意してください。
学科試験に合格すれば、実技試験の受験者資格を得ることができます。
ただし、有効期限があり、「学科合格日の翌々年度末(3月)」となっています。
実技試験を受験し、無事に合格できれば、1級FP技能士の資格取得となります。
【AFP・CFP保持者ルート】
- AFP登録者
- 日本FP協会が認めた大学で所定の単位を取得した者
上記要件に該当した人が、CFPの資格審査試験6科目すべてに合格すれば実技試験の受験者資格が得られます。(ただし、有効期限があり、「6科目に合格した日の翌々年度末」まで)または、CFP資格審査試験合格者が、CFPエントリー研修を受け、3年間の実務経験要件の充足・日本FP協会登録により、CFPとして認定されていれば、実技試験の受験者資格を得ることができます。
FP試験ルートと同じように、このルートでも、実技試験を受験し、無事に合格できれば、晴れて、1級FP技能士を名乗ることができます。
【きんざいFP養成コースルート】
- 一般社団法人金融財政事情研究会のFP養成コース修了者で、1年以上の実務経験を有する者
きんざいのサイトをみると、きんざいにはFP養成コースがあり、これを修了したうえで、1年以上実務経験を積めば、実技試験受験資格を得られるようです。
実技試験の受験資格を得る為の選択肢をまとめると以下の通りです。
- CFP試験に合格するかCFPに認定されること。
- FP1級学科試験に合格すること
- きんざいのFP養成課程を修了し、FP業務の実務経験を1年以上積むこと
私は、自然とFP1級学科試験ルート1択となりました。最短でFP1級の取得を目指していることとAFPを取得していないことから、消去法で、そのルートしかなかったとも言えます。
ルートが決まれば、後はその道をまっすぐ進み、合格の頂を目指すのみです。
次回のFP1級試験日は2021年9月12日(日)。
この試験に狙いを定めて、勉強を開始することにしました。
まず、FP2級試験受験と同じように独学で勉強するか、それとも資格学校に通うか、この点で悩みました。おおむね
インターネットでFP1級合格者の方のブログや資格解説サイトなどをみると、FP1級学科試験に要する勉強時間は概ね500~600時間と記載されていました。
これは、人の学習スピード、理解度や記憶の定着などに依拠する部分が大きいので、私は参考程度の情報として受け取りました。
しかし一方で、FP2級試験と比較すれば、FP1級試験は格段に問われる知識の量、扱う情報が増えることは市販テキストなどを見て、明らかでした。
書店でさらっと立ち読みしただけですが、頭がクラクラしたのを覚えています。
正直、1回目の試験で一発合格できるかどうか、時間的に不安なところがありました。
独学で行うのであれば、FP2級試験でお世話になったTAC出版の「みんなが欲しかった!FPの教科書」シリーズを使うことを真っ先に思い浮かべましたが、FP1級試験対策用のテキストとすることはやめました。
理由としては、同シリーズは、確かにわかりやすいのですが、他のFP1級対策本と比較して網羅性は低いと判断しました。
学習範囲がそれほど広くない3級、2級までであれば、テキスト、問題集として使用することに異論ありませんが、FP1級となると、やや頼りなさを感じてしまいました。
これはあくまで私の感想ですので、「みんなが欲しかった!」シリーズのみでFP1級学科試験を合格した方がいれば、別の意見もあるかと思います。
「みんなが欲しかった!」シリーズを取り扱うTAC出版で他のテキストはないかと探してみると、「スッキリわかる FP技能士」シリーズと「合格テキストFP技能士1級」シリーズがありました。
どちらも「みんなが欲しかった!」シリーズと比較して、取り扱う情報量は多く、解説もそれほど難解には感じませんでした。
特に「合格テキストFP技能士1級」シリーズのテキストは、資格学校TACのFP講座で実際に使用しているテキストという点に魅力を感じてしまいました。
長年の過去試験問題の出題傾向を分析し、膨大な試験範囲の中から頻出論点や重要論点を抜き出して効率よく学習できるのではないかという期待もありました。
他に選択肢として考えていたのが、試験実施団体であるきんざいから出版されているテキスト「合格ターゲット1級FP技能士」です。
出題元のきんざいが作っているテキストだけあって、質、量ともに申し分ないですが、内容が難解で、色合いも地味など、学術書を読んでいるような気持になってしまい、これから使い続けることを考慮して、私は避けてしまいました。
上記の結果、TAC出版のテキストを使うことに絞られてくるのですが、TACは資格学校ということもあり、その講義が気になってきました。
調べてみると、受講形式には2種類あって、教室受講の通学形式と通信受講形式としてDVD受講とWEB通信受講があります。
TACのサイトでFP講座のサンプル動画を視聴しましたが、これがとてもわかりやすく良かったです。
また、教室受講、通信受講どちらの受講生であっても最寄りのTAC校舎の自習室を利用できるのも魅力的でした。
受講したいと強く思いました。
今思えば、TACのマーケティングにうまく引っかかったのだなと思うのですが、これから試験を受ける身としては心強い味方を得た気がしました。
すっかりTACのFP講座に惹かれ、受講したいという意欲がどんどん高まっていくことを感じました。
気になるお値段ですが、DVD受講形式が一番高かったかと思いますが(これはディスク代としての別途費用がかかっているのでしょうか)、どの形式を選んでも、受講料は、テキスト、問題集などを含めて10万円を軽く超える出費が必要となりました。
懐具合に余裕がある人は良いですが、私にとっては大きな金額です。
当初は独学を優先して考えていたこともあり、悩みました。
しかし、最短で1級FP技能士に合格するという目標を掲げた以上、効率よく効果的に勉強をすることを選択することにしました。
仕事をしながらですと、どうしても資格勉強のための時間が限られてくるので、無駄な時間の使い方をすることを避けたいという思いがありました。
また、大金を費やす以上、背水の陣の心持で、何としてでもFP1級学科試験に合格しなくてはならないというモチベーション向上にも寄与するものと考えました。
そうして、TACのFP1級講座(1級本科生)をWEB通信受講の形式で、受講することとなりました。
2022年5月23日(日)にFP2級試験を受験した2日後には、TACから受講生の証明である会員証が送られてきました。
しかしながら、WEB通信の第1回目の配信日は6月29日(火)と1カ月先、テキストの送付日は配信日の1週間前の予定となっていました。
正直、「何故、もっと早くに講座が開始されないんだ」とか「ただでさえ難関のFP1級試験なのに、テキストも送らず、1カ月間も放置するのか」など、不安感からTACに対する怒りに似たような気持ちも湧いてきました。
今こうして記事を書いていますと、我ながら本当に自分勝手ですよね。
FP2級テキストを読み替えしながら、復習の日々を過ごしていましたが、配信日については、仕方ないにしても、テキストだけは先に送ってもらえないかどうか、一度TACと交渉してみようと思い、連絡しました。
結果としては、最寄りの校舎で在庫があれば、直接受け取りにいくことを条件に入手できるとの回答をもらうことができました。
顧客の要望に柔軟に対応してくれたTACには大変感謝しました。
6月7日(月)に仕事帰りに最寄りのTAC校舎へ寄り、TACのロゴが入った大きな紙袋に合格テキスト6冊と問題集である合格トレーニング1冊を入れてもらいました。
ずっしりと重い紙袋を運ぶのに苦労しながらも、FP1級試験用の勉強ができていない状況から脱することができるという焦燥感が薄まったため、帰路は気持ちが軽く楽しいものでした。
ようやくここからFP1級試験合格に向けて全力で取り組めると気持ちを新たにしました。